世界遺産にも登録され、ますますその存在感を高めていっているように感じられるフランク・ロイド・ライトの代表作「落水荘」ですが、建築関係者に限らず大変多くの方が一目実際に見てみたいと考えているようです。
ただ落水荘を観光する際の問題点はその位置、ロケーションです。大都市からかなり離れた所に建てられているため移動手段として車が必要です。
タクシーやバスなどの利用は現実的ではないため、観光など短期滞在でアメリカを訪れている場合はレンタカーを借りるぐらいしか方法がありません。
弊社が行なっているような見学ツアーを利用する方法もありますが、弊社の場合はワシントンD.C.発着として開催しているので、ニューヨーク等その他の都市に滞在予定の場合はやはりレンタカーを借りるのが最も良いようです。
落水荘までのアクセスに関する問い合わせが弊社にもあるため、周辺の都市から落水荘までの距離はどの程度あるのかを簡単にまとめてみました。
都市部から落水荘までの距離と所要時間
まず落水荘に最も近い大都市はピッツバーグです。およそ112キロ(70マイル)、車での移動には1時間30分程度掛かります。
次に近いのはワシントンD.C.で約270キロ(196マイル)、車で3時間30分〜4時間ほど掛かります。
ピッツバーグ、D.C.に次いで近い距離にあるのはフィラデルフィアで、落水荘まで436キロ(273マイル)、車で4時間40分〜5時間かかります。
ニューヨークからは552キロ(345マイル)、車で6時間〜6時間30分ほどですが、移動にこれほどの時間がかかるとなると近郊のホテルなどで1泊して帰ってくるというのが現実的かもしれません。
落水荘と一緒に見学したいその他の建築物
落水荘まで遥々足をのばすのであれば、落水荘以外のフランク・ロイド・ライトの建築物も一緒に見学してみてはいかがでしょうか。
<ケンタックノブ>
ケンタックノブ(Kentuck Knob)、へーガンハウス(The Hagan House)とも呼ばれるライト設計の家が、落水荘から車で15分程度の所にあり、一般の見学が可能です。
ライトの晩年、1953年に設計された作品で、依頼者のヘーガン氏はペンシルバニア州のユニオンタウンにアイスクリーム工場を所有していた実業家だったそうです。
へーガン氏は落水荘の施主であるカウフマン氏と知り合いで、その縁でライトに設計を依頼した、というのが事の経緯だったそうですが、その時点でライトはもう高齢で、現場には一度しか足を運ばなかったと言われています。
ヘーガン氏は1953年に79エーカーの土地を9000ドルで購入し、8000本の木の植樹を行いました。建物は丘の中腹に位置し、六角形のグリッドシステムに基づきデザインされており、仕上げは石と木で、室内は落ち着いた印象の空間となっています。そしてケンタックノブの持つ特徴として「周囲の環境に溶け込んだ一体感」を挙げる事が出来ると思いますが、これは一見の価値有りだと思います。
ちなみに、現在でもHaganアイスクリームを食べる事ができます。売店で販売しているので、ツアー後のひと時などに食してみてはいかがでしょうか。美味しいと思います。
ただしあの有名なHäagen-Dazs(ハーゲンダッツ)とは何の関係もありませんので念のため。
<Polymath Park>
ケンタックノブ以外にも、落水荘から1時間弱程度の所にPolymath Parkという公園があり、そこにもF.L.ライト設計の建築物があります。
ダンカン・ハウス(Duncan House)など4件のライト設計による家があり、見学ツアーのみならず宿泊も可能な施設です。
1929年の世界大恐慌の影響等で低価格の住宅(ユーソニアン・ハウス)を手掛ける必要があり、ダンカンハウスはその流れで建築されたプレハブ住宅で、2002年にPolymath Parkに移築されたそうです。
これだけライト関連の建築物があると、1泊しつつの観光ツアーも有りかもしれませんね。
イデアトラベルでは、ワシントンD.C.発着の落水荘見学ツアーを開催しています。興味がありましたらツアー詳細をご確認ください。
ケンタックノブは現在落水荘と一緒に見学出来るようなコースを考え中ですが、Polymath Parkは立地的、内容的に落水荘とセットで1日で観光できるようなコースは作成は不可能なため、ツアーとして取り扱う事ができません。また宿泊タイプのツアーも同様に取り扱いがございません。ご了承下さい。

フランクロイドライトの落水荘見学ツアー
ワシントンDCから日帰りで落水荘を観光する現地ツアーです。フランク・ロイド・ライトは近代建築家3大巨匠の一人として世界的名声を得た人物ですが、日本では帝国ホテル新館の設計者として知られています。落水荘(フォーリングウォター)は1935年に個人の邸宅として作られましたが、建築界でこの家を知らない人はいない、と断言出来るほど有名です。ワシントンDCから日帰りで、一度見学に行ってみてはいかがでしょうか。