ワシントンDCの中心地から車で20分程度の場所に「アーリントン国立墓地」があります。ワシントンDCを観光で訪れる人にとってこの墓地は訪れたい候補地の一つに加えられる場合が多いようです。
観光で墓地へ行く、というのはもしかしたら変に感じるかもしれませんが、この墓地は戦没者慰霊施設とされていて、米国史、世界史に名を残した著名人が眠っているという特徴があるため訪れる観光客が後を絶ちません。
そこで、このページではアーリントン墓地について解説したいと思います。
アーリントン墓地の歴史
アーリントン墓地は1864年、南北戦争の戦没者のための墓地として、南軍のロバート・E・リー将軍の住居周辺の土地に築かれました。
その後、第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争などの多くの戦没者が祀られていて、現在にいたっても戦没者やテロ犯罪による犠牲者など、アメリカ合衆国のために尽くした人物の墓地が存在します。
ちなみに、墓地が築かれたのは1864年ですが、アメリカ独立戦争の戦没者の墓地(判明した範囲で)も設けられています。
また、アメリカ合衆国大統領はアメリカ軍の最高司令官であるためこの墓地に埋葬される権利があります。ただ現時点(2018年現在)で当墓地内に墓所があるのは第27代ウィリアム・タフト、第35代ジョン・F・ケネディの2名のみに留まっています。


宗教について
アーリントン墓地は「政教分離」という観点から「無宗教施設」と説明されることがあるのですが、無宗教というよりはあらゆる宗教や宗派、そして無宗教による埋葬も許されていて、特定の宗教形式を押し付けることはせず「信仰の自由」が保障されている墓地です。そして実際に多様な宗教性を受け入れています。
実際に墓地へ行くと目に付くと思いますが、アーリントン墓地に建てられた墓石には故人の信仰を表す宗教的シンボルマーク(Authorized emblems)が刻まれています。
墓地が公認しているシンボルマークは41個存在していて(アーリントン墓地公式ウェブサイトによる)、その中にはキリスト教だけでなく、仏教、イスラム教、また日本の新宗教である天理教、金光教、創価学会、さらには無神論者を示すマークまであります。
ジョン・F・ケネディー元大統領の墓
イデアトラベルの現地ツアーではジョン・F・ケネディー元大統領の墓も訪れます。
墓地の駐車場に車を停めて徒歩で向かいますが、ケネディー元大統領のお墓まではダラダラとした坂道を歩いて行きます。ゆっくり歩いて15分くらい掛かりますが、長めの良いところにケネディー家のお墓があります。
ジョン・F・ケネディー、奥さんのジャクリーン・ケネディー、そして幼くして亡くなった2人の子供のお墓も。また50mほど離れたところには弟のロバート、エドワード、長男のジョセフJr.のお墓もあり、ケネディー家は特別扱いといった風情です。
帰り道は下り坂になるので来た時より少しは楽に感じると思います。
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ちなみに、ワシントン地下鉄メトロを使う場合はブルーラインのアーリントン墓地(Arlington Cemetery)駅が最寄り駅となります。
弊社のアーリントン墓地を巡る現地ツアーの詳細は以下のリンクからご覧下さい。

ワシントンDC市内観光 -終日-
ワシントンDC市内の主要な観光スポットや名所を1日かけて回る定番の現地ツアーです。ワシントンDCを初めて訪れる方に特に人気です。ホワイトハウスやリンカーンメモリアル、米国議会議事堂などはもちろん、南北戦争の戦没者慰霊のために1864年に築かれた、ジョン・F・ケネディ元大統領のお墓もあるアーリントン国立墓地、また市内にある国立航空宇宙博物館(別館ではありません)なども巡ります。アメリカ合衆国の歴史に効率良く触れてみて下さい!